鹿といえば、奈良を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

そして、鹿といえば立派に生えた角が勇ましさを感じさせる動物です。

奈良県では立派な鹿の角をあえて切り落とす「鹿の角きり」と呼ばれる行事が春日大社で毎年開催されています。

今回は「鹿の角きり」についてご紹介します。

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鹿の角きりの歴史

鹿の角きりは、1671年に興福寺がはじめたとされています。

当時、角を持った鹿が人間に危害を加えたりお互いに攻撃することで負傷するといった事態に陥っていたそうです。

かつては町民が家からその様子を見れるほど民家から近い場所で開催されていたというこの行事。

現在の場所で行われるようになったのは昭和3年で、実に300回以上続けられていた伝統の行事といえます。

 

鹿の角きり年表

1671 年 奈良奉行 溝口信勝、神鹿の角伐り開始 145 頭を伐る

1868 年 明治維新の混乱で頭数激減

1873 年 38 頭に激減

1891 年 町民有志、人身事故被害防止のため、角きり行事を再興

1924 年 知事、角きりは残酷だと禁止

1946 年 戦時中の食糧難で密猟多発、79 頭に減少

1953 年 鹿の角きり復活

1957 年 国の天然記念物に本指定

(参考資料:一般財団法人 奈良の鹿愛護会「鹿の角きり」ちらし http://naradeer.com/common/img/events/tsunokiri2014.pdfより)

 

今年の鹿の角きりと写真に収めたいシーン

今年の鹿の角きりは10月11日、12日、13日に開催されます。

時間は12時から15時。観覧料は大人1000円、子供500円となっています。

1日5回繰り返して行われ、各回完全入れ替え制をとっています。

最初の写真のシャッターを押すタイミングとしては鹿を捕まえる勢子さんが鹿をとらえるところ。

立派な角を落とされてしまうわけですから、鹿も必死で逃げ回ります。

次のシャッターチャンスはとらえた鹿の角を神官が切り落とすシーン。

のこぎりで切り落としますので、かわいそうな気もしますがこれも人害や鹿同士での負傷を防止するため。

なお、きりとった角は神前に供えられます。

最後のシャッターチャンスは、角を切られた鹿を勢子さんがタイミングを合わせて開放するシーン。

運がいいと、角を切るために押さえつけられていた鹿が勢いよく飛ぶ写真が撮れるそうです。

 

鹿の角きりを紹介してきましたが、実は鹿の角は毎年生え換わります。

とはいえ、やはり鹿が生息する場所に人が出入りすること、天然記念物指定されている鹿の保護の観点からこの行事は欠かせないようです。

逃げ回る鹿をとらえ、すばやく角を切り取る見事な伝統行事を奈良に見に行くのはせっかくの角を切られる鹿の気持ちを汲むことになるのかもしれません。